洗練された読書空間 - 心を育む本の世界

日本の年金制度の未来—『キリギリスの年金』が示す現実

日本の年金制度の未来—『キリギリスの年金』が示す現実

老後2000万円問題とは?

金融庁が公表した「老後2000万円報告書」は、日本の年金制度の持続可能性に疑問を投げかけました。報告書によると、平均的な高齢夫婦無職世帯は、年金収入だけでは生活費を賄えず、約2000万円の貯蓄が必要とされています。

年金制度の歴史と仕組み

日本の公的年金制度は、戦後の厚生年金の導入から始まり、国民年金の創設を経て現在の形へと進化しました。しかし、少子高齢化が進む中、年金財政の維持が困難になっています。

年金財政の将来見通し

『キリギリスの年金』では、2019年の年金財政検証をもとに、負担の押し付け合いや借金の増加が年金制度の持続可能性を脅かしていることが指摘されています。特に、金利の上昇が財政に与える影響は深刻です。

アベノミクスと年金

アベノミクスの経済政策は、年金制度にも影響を与えました。株式市場への依存度が高まり、年金資産の運用リスクが増大。さらに、消費停滞が続く中、年金生活者の負担は増しています。

MMT(現代貨幣理論)と年金

MMT支持者は、政府が通貨を発行することで財政問題を解決できると主張します。しかし、『キリギリスの年金』では、通貨安インフレのリスクや税制の問題を無視できないと警鐘を鳴らしています。

まとめ

『キリギリスの年金』は、日本の年金制度の現状と未来を鋭く分析した一冊です。統計データをもとに、私たちが直面する課題を明らかにし、今後の対策を考えるきっかけを提供してくれます。


社会保障の真実 キリギリスの年金統計から見える未来への焦点

ISBN: 9784022950888 著者: 明石順平 出版社: 朝日新聞出版 出版年月: 2020年09月 サイズ: 270P18cm *シリーズ: 新書・選書≫教養[朝日新書] キリギリスノネンキントウケイガシメスワタクシタチノゲンジツアサヒシンシヨ784 朝日新書784 登録日: 2020/09/11