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ポスト・ソヴィエト時代のキルギス共和国における国家語と社会変容の物語

ポスト・ソヴィエト時代のキルギス共和国と言語政策の変遷

2015年に関西大学出版部から刊行された小田桐奈美氏の著書『ポスト・ソヴィエト時代の「国家語」 国家建設期のキルギス共和国における言語と社会』は、キルギス共和国の独立後に展開された国家語策定の過程と、それに伴う社会変動を詳細に分析しています。

独立と国家語制定の背景

ソヴィエト連邦崩壊後、多くの旧ソ連構成国は民族的アイデンティティの再構築を迫られました。キルギス共和国も例外ではなく、国家の一体感を強化するために「国家語」としてのキルギス語の整備が急務となりました。

言語政策が社会に与えた影響

本書では、国家語の普及が教育、行政、文化にどのように影響を及ぼしたのか、またロシア語やその他少数言語との共存をどのように模索したのかを豊富なフィールド調査から明らかにしています。

なぜ今、この本を読むべきか?

グローバル化と民族主義が交錯する現代社会において、言語は単なるコミュニケーション手段以上の意味を持ちます。キルギス共和国の事例は、国家語の策定が国家建設に果たす役割と、そこに潜む葛藤を多角的に示す貴重なケーススタディとなっています。


書籍情報

キルギス共和国の言語と社会の関係性を深く理解したい方にとって、欠かせない一冊です。


国家語保護と社会構造化の二つの過程313

本の詳細情報 ISBN 978-4873545998 著者 小田桐 奈美 出版社 関西大学出版部 出版年月 2015年03月 サイズ 266P * 22cm 語学 各国語(各国語一般) 書誌目次 各国語一般 登録日 2015/05/16